3月18日から21日にかけて、前日中経済学会専務理事の杉田定大氏が上海を訪問し、視察調査を行いました。実邑文化は杉田氏のために、新エネルギー車の見学交流、上海交通大学での講演、Semicon China半導体展示会の視察など、一連の活動を精心に企画しました。
科大訊飛:人工知能展示ホールの訪問
合肥の科大訊飛本社にある人工知能展示ホールは、「AIが聞いて話せる」部分と「理解して考える」部分に分かれています。杉田氏は、仮想キャスター、デュアルスクリーン翻訳機、音響イメージング装置など、科大訊飛が開発した多数のハイテク製品を体験し、人工知能技術の最新の発展と応用状況について深く理解しました。
杉田氏は、科大訊飛が音声認識や自然言語処理の分野で達成した成果を高く評価し、特に教育分野での学習機などの応用に注目し、これが教育の現代化に積極的な影響を与えると考え、今後も注目していく価値があると述べました。
NIO(蔚来)自動車:NIOのスマート製造とイノベーションの視察学習
科大訊飛の訪問後、杉田氏は同じく合肥にある「蔚来センター」を訪問しました。
杉田氏はNIO Houseと生産工場を見学し、充電が給油よりも早いNIO Power充電サービスシステム、世界初の車載人工知能システム「NOMI」、最強のチップで構築された自動運転支援システム「NIO Pilot」などを詳しく調査しました。今回の視察を通じて、杉田氏は中国の電気自動車産業の発展のスピードと規模を実感し、日中が技術開発やスマート製造の分野でより深いレベルでの協力を展開できると考えました。
杉田氏は上海交通大学に招かれ、「日中協力の未来」というテーマで講演を行いました。
講演では、まず日本と中国の企業の違いと日本の半導体産業の発展動向について述べ、特に台積電熊本工場(JASM)の協力と支援に焦点を当て、日本がグローバル半導体産業での競争力を再構築しようとしていると述べました。次に、日本がIBM、IMEC、ASMLなどの国際パートナーと協力していることを紹介し、これらの協力が先端半導体技術と生産能力の開発を目的としていると説明しました。彼は、日本の半導体産業が転換期にあり、高度な国際協力を通じて、グローバルな半導体産業の最前線に再び戻ることを目指していると指摘しました。
杉田氏は、また、世界が新エネルギー車にシフトしているトレンドについても触れ、ヨーロッパや中国の厳しい環境規制、および各国の新エネルギー車に対する政策支援について説明しました。特に、中国が新エネルギー車(NEV)技術と市場で急速に発展していること、中国のNEV技術ロードマップ2.0の目標を紹介し、中国が新エネルギー車産業に対する大きな野心を持っていることを示しました。
さらに、杉田氏は、中国の自動車メーカーであるBYDが日本市場での拡大戦略を分析し、BYDが中国国内市場での販売が急増しているだけでなく、ヨーロッパや日本などの国際市場にも積極的に進出していることを指摘し、その課題と機会についても議論しました。これは、グローバルな自動車産業が伝統的な内燃機関から電気自動車への移行という革命を迎えており、この変革の過程で中国と日本が重要な役割を果たしていることを反映しています。
杉田氏は、日中の半導体と新エネルギー産業が直面している課題と機会について述べ、また、AIや急速に変化する世界にどのように対応するか、好奇心を持ち続ける方法など、興味深い問題について、参加者と共に議論しました。
講演会終了後、杉田氏は上海交通大学のキャンパスを見学し、記念撮影を行いました。
SEMICON Chinaは、世界最大の半導体専門展示会で、チップ設計、製造、封止、検査、設備、材料、ディスプレイ、部品などの全産業チェーンを網羅しており、展示面積は90,000平方メートル、1,100社以上の出展企業、4,500以上の展示ブース、20以上の同時開催のシンポジウムやイベントが行われました。この展示会は、技術成果の展示、国際協力交流の促進、産業発展のレベル向上において計り知れない影響力を持つ、世界最大で最も包括的な半導体産業チェーンを持つ新製品発表のプラットフォームです。日本の半導体関連企業からは、400社以上が出展しており、東京エレクトロン、愛発科、東レなどの代表企業が参加しました。
杉田氏は主に半導体の先進装置分野に焦点を当て、複数の企業と深い交流を行いました。彼はこの分野の最先端技術とイノベーションに関心を持ち、業界の最新動向とトレンドを深く理解し、将来の協力発展に向けた良好な機会を模索しました。
こうして、杉田氏の上海訪問は成功裏に終了しました。新エネルギー車工場の視察、講演交流、SEMICON Chinaの見学を通じて、彼は中国のテクノロジー産業の発展状況と展望を深く理解し、各界の人々と深い交流を行い、自身の経験と見解を共有すると同時に、多くの新たな考えやインスピレーションを得ました。この訪問は、日中両国の半導体、新エネルギー車などの分野における協力と交流を促進するとともに、将来の協力のための確固たる基盤を築くものでした。