ーバル化が進む現代において、キャリアの軌跡は個人の能力や選択だけでなく、マクロ経済や産業の変革といった外部要因にも大きく左右されます。中国のトップ大学である北京大学の卒業生の就職状況は、その代表性と指導的な意義を持っていると言えるでしょう。
8月26日、北京大学のキャリアセンターとAsia to Japanが共同で日本にてオフラインシンポジウムを開催し、主に外国人材の採用に関心を持つ企業の担当者が参加しました。
このシンポジウムでは、北京大学を例に、キャリア選好や期待の変化、「学生から最も注目される企業TOP10」、北京大学のキャンパスリクルート市場の変化、給与の変動など、2019年と2023年の卒業生の就職状況を重点的に分析しました。また、北京大学とAsia to Japanの今後の協力の展望についても言及されました。
まず、2019年と2023年のデータを比較すると、北大卒業生の就職選好に変化が見られます。2019年には、卒業生が優先して考慮していた就職要因は「成長の見込みが良い」「個人の才能を発揮できる」「福利厚生が良い」といった点でしたが、2023年には「給与・福利厚生が良い」「勤務地が大都市」「成長の見込みが良い」といった要因がより重視されるようになりました。この変化は、複雑な就職環境に直面する卒業生の意識の変化を反映しています。
次に、シンポジウムでは、パンデミックが就職市場に与えた深刻な影響についても議論されました。パンデミック前の伝統的な採用プロセスには対面面接や説明会が含まれていましたが、パンデミック後は、オンライン採用やリモート面接が普及し、学生たちはより多様な選択肢を持つようになりました。この変化は、応募者の就職活動方法を変えただけでなく、彼らのスキルにも新たな要求を突きつけました。2023年の採用基準では、履歴書の強み、論理的思考、AI技術の活用といった点がより重視されるようになり、卒業生はテクノロジーが推進する環境下で、さらに自分の専門知識や適応力を高める必要があることが示されています。
今後の協力展望としては、既存の協力関係を一層深化させること、北京大学の学生が日本での就職機会を得られるようなルートを確立すること、そして国境を越えたキャリア発展の仕組みを構築することが含まれています。これにより、北京大学はキャンパス内外で影響力のある海外就職プログラムを作り上げ、雇用主と学生の双方から高い評価を得る、日本への就職を目指す学生にとって最も魅力的な選択肢を提供するルートとして成長することが期待されています。